インボイス制度は消費税を請求しなければ関係ない?

封筒

インボイス制度を
ざっくりと

何かと話題のインボイス制度に関して、ざっくりと書いてみました。
基本的には、ちゃんとした免税事業者には関係ない話なんですよ。

関係ないはずなんですけど、グレーゾーンの方には関係ありますよね。

かなり乱暴に書いてますのであしからず。
正確で詳細な情報は、公式サイトとかで確認してくださいね。

インボイス制度

消費税を納税している事業者との取引がある人たちに関係します。
つまり、納税免除の事業者との取引しかない場合には、インボイス制度はあまり関係ないです。(電子帳簿保存法は気にしてくださいね。)

自身が免税事業者であっても、納税している事業者からは、適格請求書を発行するように依頼されるかもしれません。というか、普通に依頼されると思います。
その場合には、選択肢が2つあります。

選択肢1: インボイス発行は拒否!

ひとつめは、適格請求書の発行を断固拒否することです。
やらなくてもいいことはやらないという考え方です。もしグレーゾーンで生きている場合、取引先に影響が出ます。

デジタル

その場合のリスクとして、取引停止もしくは価格転嫁(減額)が考えられます。
交渉でどうにかなるような相手であれば、がんばってみてもよいかもしれません。
消費税の納税手続きは、これまでどおりの免税事業者として行えます。

メリット

手続きはこれまでどおり
(電子帳簿保存はさておき)

デメリット

納入先に何と言われるか。。
(取引停止 or 減額 etc.)

と、仕入は課税されていますので、その分損します。

選択肢2: インボイス発行します

ふたつめは、適格請求書を発行する人になることです。
そのためにはまず、納税事業者になる必要があります。これまでやっていなかった納税手続きと納税が発生します。
そして適格請求書発行事業者の登録(インボイス番号の取得)が必要です。
インボイス番号を取得するのは1回のことですし、オンライン(e-Tax)で手続きできるので大した手間ではないでしょうが、納税手続きは毎年のことです。

ミーティング

さらに、発行している請求書を適格請求書形式に変更する必要があります。
決まりは国税庁のHPを見てください。ざっくりいうと、国が決めたフォーマットにしろということです。

しかも、仕入取引相手に免税事業者がいる場合には、こんどは自分がその人に対してどう接するか、考えねばなりません。芋づる式というやつです。
ちなみに、仕入相手が納税事業者であっても、適格請求書発行事業者(インボイス番号を持っている事業者)でなければ、番号を取ってもらうかなどの相談(お願い?交渉?)が必要でしょう。

メリット

たぶん取引は継続。
自分の仕入の消費税は控除。

デメリット
  • やることが増える
    (納税とか、インボイス番号管理とか)
  • 考えることが増える
    (免税事業者対応とか、適格請求書を発行しない人対応とか)

選択肢3: グレーゾーン卒業

みっつめの選択肢もあります。
適法化です。
ウチはもともとこれですので、特になにもしないです。これまでどおり免税事業者として生きていきます。(悲しいですが、売上が1千万円を超えることはなさそうなので。。)
基本的には役務提供ですし。

PC

請求書に消費税を書かない。載せない。
請求しないわけですから。
それだけのことです。

消費税分が請求できなくなるとかいった話を聞きますが、昨今の物価高もありますし、価格交渉してみるとかどおでしょう。
仕入の時には消費税を払っているわけですし。
原料だけじゃなく、道具とかも。ウチはパソコンを税込みで買ってますね。
実はその分だけ損をしているという考え方もあるんですよね。。

電子帳簿保存との絡み

請求書が電子で送られてきた場合には、電子保存しなければならないというルールです。
正確にはもう始まっていますが、今のところは猶予期間です。(2023年末までです。)

コンピューター

そして「電子で送られてきた」には、メール送付サイトからのダウンロードサイトの画面表示などが該当します。
もちろん、EDIなどの伝送は対象ですし、帳票として整形されていないデータも対象です。
たとえば、メールでPDFの請求書が送られてきた場合に、印刷して紙で保管はNGです。Amazonの領収書は画面表示なので、電子保存必須ですね。

裏を返すと、紙で送られてきたものはこれまでどおりの運用で問題ありません。
電子化して保存可能ですが、そうしなければならないということではないのです。(やらなくてもいいんです。)

電子帳簿保存法対応

電子保存したファイルは、検索できるようにしておくことと、改ざんされていないことを証明できることが必須要件になります。
これは必ずしもシステム導入を前提としておらず、運用ルールを整備することなどで十分対応できるものです。
たとえば、boxなどのクラウドストレージには、アクセスログ管理や版管理がありますので。
うまく活用しましょう。

ウェブ

実は、対象になる「帳簿」は必ずしも請求書というわけではなく、自分で決めていいことになっています。
決済関係書類とかいった言われ方なのです。
日本の商習慣からいったら、請求書は対象ですよねというだけの話です。
納品書ベースで支払いしているならそれでもいいわけです。
法律的には口約束でもOKですが、税務署への説明には、納得感のある証憑は必要でしょう。

インボイスの絡みは?

上に書いたとおりで、請求書を電子的に入手する場合には、こちら側も電子保存です。
適格請求書だろうがなかろうが、電子的に送られてきたものは電子保存です。

免税事業者で適法運用中でも、電子帳簿保存の対象になるかどうかは別問題です。
ウチもこれですし。
電子帳簿保存のためにルールを書いて運用することにしました。

インボイス制度と電子帳簿保存は分けて考える

両者は絡んではいますが、まったく別の制度です。
開始時期が近いとか、対象となる書類が被ってるとかいったことでいっしょに語られがちですが。。

電卓

インボイス制度の対象は、請求書だけです。

電子帳簿保存法の対象は、決算関係書類とか契約関係書類とか、税務署関係の書類全般です。
ただし、対象は自分で決めていいんです。(最低限のところは守らねばですが。)

どちらも、システム導入は前提としません。
システム屋さんは新制度対応で売り込んできますからね。
たしかに楽にはなるかもしれませんが、両者とも、システムがなくても対応は可能です。

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